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うさねこの暮らし手帳・おトク散歩

NATとNAPT(IPマスカレード)の違い|IPv6 IPoE・IPv4 over IPv6も初心者向けに解説

家庭や会社のLANでは、PC・スマホ・ゲーム機などにプライベートIPv4アドレスを割り当て、ルーターを介してインターネットへ接続する構成が一般的です。

この記事は2020年に書いた内容をもとに、2026年現在の内容へリライトしています。NATとNAPT(IPマスカレード)の違いや、IPアドレスの変換、IPv6 IPoE/IPv4 over IPv6との関係を初心者向けに整理します。

NAT編

ねこちゃん
ねこちゃん

NATって、家の中のIPアドレスをインターネット用のIPアドレスに変える仕組みだったよね?

うさちゃん
うさちゃん

大きくはその理解でOK。ただ、家庭用ルーターで複数台を1つのグローバルIPv4アドレスにつなぐ仕組みは、厳密には「NAPT」を使っていることが多いよ。まずはNATから見ていこう。

NAT(Network Address Translation)は、あるIPアドレスを別のIPアドレスへ変換する仕組みです。IPv4のプライベートネットワークと外部ネットワークの間などで利用されます。

家庭内でよく使われるプライベートIPv4アドレスは、インターネット上でそのまま宛先としてルーティングされるアドレスではありません。RFC 1918では、次の3つの範囲がプライベートアドレスとして予約されています。

プライベートIPv4アドレス範囲
10.0.0.0/810.0.0.0 ~ 10.255.255.255
172.16.0.0/12172.16.0.0 ~ 172.31.255.255
192.168.0.0/16192.168.0.0 ~ 192.168.255.255

たとえば自宅のPCが「192.168.1.10」のようなアドレスを使っていても、そのアドレス自体をインターネット側へそのまま出すのではなく、境界にあるルーターなどが必要に応じてアドレス変換を行います。

NATにはいくつか種類があり、IPアドレスだけを対応付けるBasic NATと、IPアドレスに加えてポート番号なども変換するNAPTがあります。家庭用ルーターで「NAT」とまとめて呼ばれていても、実際の多台数共有ではNAPTが使われているケースが一般的です。

次に、現在のインターネット接続でよく見る「IPv6 IPoE」との関係を整理します。

IPv6 IPoE/IPv4 over IPv6対応ルーターを選ぶとき

2020年の記事では「IPv6(IPoE)対応ルーターなら速い」と単純化していましたが、現在は契約している回線・プロバイダが採用する接続方式に対応しているかを見る方が大切です。

IPv6 IPoEはIPv6通信に使われる接続方式で、IPv4サイトへの通信にはIPv4 over IPv6を組み合わせるサービスが広く使われています。IPv4 over IPv6にはMAP-EやDS-Liteなど複数の方式があり、利用できる方式はプロバイダによって異なります。

そのため、市販ルーターを選ぶ場合は「IPv6対応」という表示だけで判断せず、利用中のプロバイダのIPv4 over IPv6方式に対応しているかを確認します。プロバイダから貸与されるホームゲートウェイやルーターで必要な機能が揃っているなら、無理に市販品へ買い替える必要はありません。

なお、IPv4アドレスの在庫枯渇と、夜間などの回線混雑による速度低下は別の問題です。「IPv4アドレスが不足しているからIPv4通信そのものが遅い」という意味ではありません。IPoEが混雑回避に役立つ場合はありますが、実際の速度や安定性は回線、プロバイダ、接続方式、宅内機器、時間帯などにも左右されます。

NAPT(IPマスカレード)編

ねこちゃん
ねこちゃん

じゃあ、家にPC・スマホ・ゲーム機が何台もあるのに、同じグローバルIPv4アドレスで通信できるのはNAPTのおかげ?

うさちゃん
うさちゃん

そうそう。NAPTはIPアドレスだけじゃなく、TCPやUDPのポート番号も組み合わせて変換するから、複数の機器の通信を1つの外部IPv4アドレスへまとめられるんだよ。

NAPT(Network Address Port Translation)は、IPアドレスとTCP/UDPのポート番号などを組み合わせて変換する仕組みです。「IPマスカレード」と呼ばれることもあります。

たとえば家庭内のPCとゲーム機が同時にインターネットへ通信するとき、ルーターは送信元のプライベートIPv4アドレスとポート番号を、外部側のIPv4アドレスと別のポート番号へ対応付けて記録します。

宅内側NAPT後の例
PC:192.168.1.10:50000203.0.113.10:40001
ゲーム機:192.168.1.20:50000203.0.113.10:40002
IPアドレス・ポート番号は説明用の例です。

インターネット側から返事が戻ると、ルーターは記録している対応関係を見てPC宛かゲーム機宛かを判別し、元のプライベートIPv4アドレスとポート番号へ戻して届けます。

つまり、家庭でよく使う形を簡単に言えば、1つの外部IPv4アドレスを複数の端末で共有するために、アドレスとポートを対応付ける仕組みがNAPTです。

IPアドレス・ポート番号は説明用の例です。

外部から新しく通信を始める場合は、NAPTの対応関係がまだ存在しないため、そのまま宅内機器へ届くとは限りません。自宅サーバーや一部のオンライン機能などで外部からの着信が必要な場合は、ポート転送やUPnPなど別の仕組みが関係します。

さらに、プロバイダ側でIPv4アドレスやポートを共有するサービスでは、利用者側のルーターだけでは自由に待ち受けポートを設定できない場合があります。オンラインゲームや自宅サーバーで外部からの接続が必要なときは、契約中のIPv4 over IPv6方式やポート利用条件も確認しておくと切り分けしやすくなります。

NATとNAPTは似た言葉ですが、「IPアドレスの変換」という大きな考え方がNAT、その中でポート番号も使って複数端末を1つの外部IPv4アドレスへまとめる方式がNAPT、と覚えると整理しやすいです。


👉️関連記事 ゲーミング回線と普通の光回線は何が違う?|Ping・通信経路・QoSを解説

参考:NTT東日本「IPoEとは?PPPoEやIPv6、IPv4との違い」
参考:NTT東日本「MAP-EとDS-Liteはどう違う?」

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