
ゲーミングルーターというと、「普通のルーターよりPingが低くなる」「ゲームが速くなる」というイメージがありますが、ルーターを交換するだけで必ずPingが下がるわけではありません。
ゲームの通信品質は、宅内のルーターだけでなく、回線・ISP・ゲームサーバーまでの通信経路にも影響されます。回線側の違いやPing・通信経路については別記事「ゲーミング回線は何が違う?|地域別Ping・通信経路・ルーターQoSまで解説」でも詳しくまとめています。
この記事では、ゲーミングルーターと普通のルーターの違いをはじめ、Gaming PortやQoS、Wi-Fi 7、2.5GbE・10GbEなどの機能を整理しながら、どんな環境なら効果を期待できるのか、逆に買い替えなくてもよいケースまで分かりやすく紹介します。
ゲーミングルーターって必要?

「ゲーミングルーター」ってよく見かけるようになったと思うんだけど、今回はね、ゲーミングルーターに変更したらゲームのPingが一気に下がるのかを調べてみたよ😊

名前からすると、普通のルーターよりゲームが速くなりそうだけど……。高いのを買えばいいってこと?

そこがちょっと違うのよ😊
ゲーミングルーターで改善できるのは主に宅内側なのね。ゲームサーバーまでの距離やISPより先の経路まで、ルーター交換だけで短くなるわけではないんだよ。
先に結論|ゲーミングルーターの効果は主に「宅内側」
ゲーミングルーターは、交換するだけでインターネット上のPingを魔法のように下げる機器ではありません。 効果が出やすいのは、家庭内の通信競合、Wi-Fi、古いルーターの処理能力、1GbEポートなど、宅内側に原因がある場合です。
有線でPingが安定
無理に交換しなくてもOK
家族の通信でPing悪化
QoS・帯域制御を確認
常時・夜間にPingが高い
回線・ISP・経路も確認
先に確認したいこと:Wi-Fiだけで遅いのか、有線でも遅いのか。さらに、大容量通信を始めたときだけPingが悪化するのかを確認すると、ゲーミングルーターが必要な環境か切り分けやすくなります。
※注意:通信品質は回線、ISP・VNE、接続方式、地域、ゲームサーバー、宅内LAN、Wi-Fi、利用端末などによって変わります。ルーターの交換だけでPingや通信品質が必ず改善するものではありません。
ゲーミングルーターというと「低遅延」「ゲームブースト」「ゲーミングポート」といった言葉を目にすると思います。
ただし、「ゲーミングルーター」という一つの特殊な通信技術が存在するわけではありません。
高性能なCPU、QoS、ゲーム端末の優先、Wi-Fi 6 / 6E / 7、マルチギガLAN、ゲーム向け管理画面、経路最適化サービスなど、ゲーム用途で役立つ複数の機能をまとめて搭載した製品が、一般にゲーミングルーターと呼ばれています。
そのため、選ぶときは「ゲーミング」という名前ではなく、自分の環境で必要な機能があるかを見ることが重要です。
ゲーミングルーターは「何をしたいか」で選ぶ
ゲーミングルーターの大きなメリットは、Gaming Portやゲーム向けQoSによって、細かなネットワーク設定をしなくてもゲーム端末を優先しやすいことです。 ただし、ゲーミングルーターに交換するだけで、Pingやラグなどすべての通信問題が解決するわけではありません。
Gaming Portやゲーム向けQoSを利用して、複雑な設定を行わなくてもゲーム端末を優先しやすいのが特徴です。
IPアドレスやポート、プロトコルなどを条件に通信を分類し、帯域制御まで細かく設定できます。自由度が高い反面、ある程度のネットワーク知識が必要です。
ルーターだけでなく、回線・ISP / VNE・接続方式・宅内LAN・Wi-Fi・ゲームサーバーまでの通信経路も含めて確認します。
普通のルーターと何が違う?
一般的な家庭用ルーターも、インターネットへ接続するという基本的な役割は同じです。
ゲーミングルーターでは、その基本機能に加えて、ゲーム用途を意識した機能や設定画面を搭載している製品が多くあります。
| 機能 | 一般的なルーター | ゲーミングルーターで見られる特徴 |
|---|---|---|
| インターネット接続 | ○ | ○ |
| Wi-Fi | ○ | 高性能な無線規格・複数帯域を搭載する製品が多い |
| QoS | 製品による | ゲーム端末・ゲーム通信を優先しやすい |
| ゲーミングLANポート | 少ない | 対応製品では接続端末を簡単に優先 |
| マルチギガLAN | 製品による | 2.5GbE・10GbE搭載製品もある |
| ゲーム向けGUI | 基本機能中心 | ゲーム端末・Pingなどを確認しやすい製品がある |
| 経路最適化サービス | 通常はなし | 一部製品・サービスで対応 |
ゲーミングルーター=まったく別種類のルーターというより、ゲーム向け機能を分かりやすくまとめた高機能ルーターと考えると理解しやすいでしょう。
Pingは下がる?
ゲーミングルーターにするとPingは下がるか?
ここが一番誤解しやすい部分です。
オンラインゲームの通信は、ルーターだけで完結しているわけではありません。
PC・ゲーム機
↓
LAN / Wi-Fi
↓
自宅ルーター
↓
光回線
↓
ISP / VNE
↓
インターネット上の通信経路
↓
ゲームサーバー
Pingは、この通信経路全体を往復して応答が戻るまでの時間(RTT)を表す値で、どの区間の遅れも影響します。
そのため、ルーターを交換して改善できるのは、基本的に自宅ルーターや宅内LAN・Wi-Fiが原因になっている部分です。
たとえば地方から東京方面のゲームサーバーへ接続している場合、ゲーミングルーターへ交換しても物理的な距離そのものは短くなりません。
ISPからゲームサーバーまでの経路も、通常のルーターQoSで短縮できるものではありません。
ポイント:Ping 20msの環境が、高価なゲーミングルーターへ交換しただけで5msになる、という種類の改善を期待するものではありません。
効果を発揮しやすいのは「混雑時」
ゲーミングルーターの機能が分かりやすく役立つのは、家庭内で複数の通信が競合している場合です。
たとえば普段はPing 20ms前後で安定しているのに、別のPCで大容量ダウンロードを始めるとPingが80ms、120msと跳ねるケースです。
| 状態 | 考え方 |
|---|---|
| 通常時もPingが高い | 回線・ISP・通信経路・距離なども確認 |
| 通常時は安定、大容量通信中だけ悪化 | 宅内の通信による混雑。QoS・帯域制御を確認する価値あり |
| Wi-Fiだけ不安定 | 無線区間を確認 |
| 有線でもパケットロスが継続 | 宅内LANだけでなくWAN側も切り分け |
このような「他の通信が始まったときだけ悪化する」環境で重要になるのが、QoSです。
QoSとは?
QoS(Quality of Service)は、通信を分類して、どの通信を優先して処理・送信するかを制御するための仕組みです。
家庭内では、オンラインゲームだけでなく、動画視聴、OSアップデート、クラウド同期、ゲームのダウンロードなどが同時に通信します。
回線やルーターの出口が混雑するとパケットが待たされるため、ゲーム通信を優先することで、混雑時の遅延悪化を抑えられる可能性があります。
通常時
ゲーム ─────────→ 回線
混雑時(送信=上り方向の例)
ゲーム ─┐
クラウド同期 ─┼─→ ルーターの送信待ち ─→ 回線
アップロード ─┘
QoS利用時の考え方
ゲーム ─────────────→ 優先
クラウド同期 ───────→
アップロード ───────→
高速化する機能ではない
QoSを有効にしても、契約回線の最大速度が増えるわけではありません。
また、自宅からゲームサーバーまでの物理距離が短くなったり、ISPより先の通信経路が自動的に近道になったりするわけでもありません。
狙うのは通常時のPingを無理に下げることではなく、混雑したときのPing悪化を抑えることです。
上りと下りは分けて考える
ルーターの優先制御は、機種や方式によって制御できる方向・範囲が異なります。特に送信方向の輻輳は、宅内ルーター側で制御しやすい部分です。ただし優先制御が働くのは、ルーター内で送信待ちが発生しているときです。機種によっては、送信速度を実際の回線速度に合わせて設定する必要があります。
一方、大容量ダウンロードなど下り方向の混雑は、パケットがルーターより手前(回線・ISP側)で待たされやすいため、ルーターだけでは直接制御しにくい場合があります。受信側の帯域を実際の回線速度より少し低く制限し、待ち行列をルーター側に移す方式(SQMなど)で改善を狙う製品もあります。帯域制御やキュー制御の方式によって挙動が異なるため、製品ごとの仕様確認が必要です。
このように、大容量通信中だけ待ち時間が増えてPingが悪化する現象は「Bufferbloat(バッファブロート)」とも呼ばれます。
ゲーミングポート?
製品によっては「Gaming Port」「ゲーミングLANポート」と書かれたLANポートがあります。
これはゲーム専用の新しいEthernet規格という意味ではありません。対応製品では、そのポートへ接続した端末を優先対象として扱いやすくするために用意されています。
PCやゲーム機を指定ポートへ接続するだけで端末優先を利用できるため、細かなQoS設定を行いたくない人には分かりやすい仕組みです。
「ゲーミングポートだから通信速度そのものが特別に速い」のではなく、ゲーム端末を優先しやすくする機能として確認する。
経路最適化について
ゲーミングルーターの説明で混同しやすいのが、QoSとゲームサーバーまでの経路最適化です。
| 機能 | 主に作用する場所 | 目的 |
|---|---|---|
| QoS・端末優先 | 宅内ルーター周辺 | 他の通信との競合時にゲーム通信を待たせにくくする |
| Wi-Fi最適化 | PC・ゲーム機~アクセスポイント | 無線区間の安定性・速度を改善 |
| 経路最適化サービス | インターネット側 | 通常とは異なる中継経路などを使い接続先までの経路を最適化 |
一部のゲーミングルーターでは、GPN(Gamers Private Network)など外部サービスと連携してゲームサーバーまでの経路を最適化する機能があります。
これは宅内QoSとは別の仕組みで、インターネット側の経路へ働きかけます。
ただし、もともとのISP経路が良好なら改善しないこともあります。ゲームタイトル、地域、ISP、接続先によって結果が変わるため、経路最適化対応=必ずPingが下がるとは考えないほうがよいでしょう。
無線区間も重要
Wi-Fiでオンラインゲームをしている場合、ルーターより先の回線だけでなく、PC・ゲーム機からアクセスポイントまでの無線区間も確認する必要があります。
- ルーター・アクセスポイントとの距離
- 壁・床・家具などの遮蔽物
- 周辺のWi-Fiとの電波干渉
- 2.4GHz / 5GHz / 6GHzの使い分け
- 接続端末数
- PC・ゲーム機側の対応規格
Wi-Fi 6EやWi-Fi 7に対応したゲーミングルーターもありますが、新しい規格に交換しただけでPingが必ず大幅に下がるわけではありません。
まず有線LANで同じゲームを試し、有線では安定してWi-Fiだけ不安定なら、宅内無線環境を重点的に確認すると切り分けやすくなります。
2.5GbE・10GbEならゲームも速い?
最近の高性能ルーターでは、2.5GbEや10GbEなどのマルチギガポートを搭載した製品も増えています。
10Gbps回線を利用する場合、WAN・LANポートが1GbEなら、そのポートが最大通信速度の上限になります。
ただし、オンラインゲームのプレイ中に常時数Gbpsの通信が必要になるわけではありません。
| 用途 | マルチギガ化の効果 |
|---|---|
| ゲームプレイ中 | 最大速度よりPing・ジッター・ロスの安定性が重要 |
| ゲーム本体のダウンロード | 高速回線・マルチギガが有利 |
| 大型パッチ | 高速回線・マルチギガが有利 |
| NAS・PC間転送 | 大きな効果が期待できる |
| Ping | 1GbE→10GbEだけで10分の1になるわけではない |
最大通信速度と遅延は別の指標として考えましょう。
高性能CPUならPingは下がる?
ゲーミングルーターでは高性能なCPUを搭載した製品もあります。
ルーターはNAT、IPv4 / IPv6、QoS、VPN、セキュリティ、Wi-Fi、多数のセッションなどを処理するため、負荷の高い環境では処理性能に余裕があることはメリットです。
ただし、CPU性能が高いからインターネット上の物理距離が短くなるわけではありません。
高性能CPUは、ルーター自身がボトルネックになりにくく、複数の高度な機能を使いやすいという方向で考えるのが分かりやすいでしょう。
改善できること・できないこと
| 原因 | ゲーミングルーターでの改善 |
|---|---|
| 家族の大容量通信でPingが上昇 | QoSなどで改善する可能性あり |
| 複数端末による宅内混雑 | 改善する可能性あり |
| 古いルーターの処理能力不足 | 改善する可能性あり |
| Wi-Fiが不安定 | 無線規格・設置・周波数帯などの改善余地あり |
| 1GbEポートが速度の上限 | 2.5GbE・10GbE対応機で改善可能 |
| ゲーム端末を優先したい | QoS・ゲーミングポートなどが利用可能 |
| 自宅からゲームサーバーまでの物理距離 | 基本的に改善できない |
| ゲームサーバー自体が遠い | 基本的に改善できない |
ISP内部・回線側の混雑 | 接続方式が同じなら、ルーター交換だけでは根本解決しにくい |
| ISPから先の遠回り | 通常のQoSでは改善できない |
| 経路最適化サービス | 経路次第で改善する可能性あり |
向いている人
家族と回線を共有している
ゲーム中に動画視聴、クラウドバックアップ、Windows Update、ゲームダウンロードなどが同時に動く家庭では、QoSを利用する価値が高くなります。
特に、一人で使っているときは安定しているのに、家族が通信すると急にPingが悪化する場合は、宅内側を確認してみる価値があります。
Wi-Fiでゲームをしている
古いWi-Fiルーターや混雑した無線環境を使っている場合は、新しい無線規格や適切な周波数帯への変更で改善する可能性があります。
高速回線を使っている
2Gbps・5Gbps・10Gbpsなどの回線を活用したい場合は、WAN/LANポート速度やルーターの実効性能も確認する必要があります。
ゲーム向け設定を簡単にしたい
業務向けルーターでも高度な制御はできますが、設定には知識が必要です。ゲーム端末を選ぶだけ、ゲーミングポートへ接続するだけ、といった簡単な操作で優先設定を使いたい人にはゲーミングルーターが分かりやすい選択肢です。
必要ない可能性がある人
通信の競合が少ない
一人暮らしなどで、ゲーム中に他の大容量通信がほとんど発生しないなら、QoSが働く場面自体が少なくなります。
有線LANでPingが安定している
現在の環境でPing・ジッター・パケットロスに問題がなく、速度も十分なら、高価なゲーミングルーターへ交換してもゲームプレイ中の体感差が小さい可能性があります。
ISPやゲームサーバー側に原因あり
夜だけ遅い、特定のゲームサーバーだけPingが高い、ISPより先で経路が遠回りしている、といった場合はルーターだけでは解決しません。
この場合は回線、ISP・VNE、接続方式、ゲームデータセンターまでの通信経路を確認する必要があります。
買う前に確認したいこと
いきなり買い替えるより、現在どこで遅延が発生しているのかを確認するのがおすすめです。
- 有線LANでも遅いのか
- Wi-Fiだけ遅いのか
- 回線が空いているときのPingは安定しているか
- 大容量ダウンロード中にPingが悪化するか
- 夜など特定時間帯だけ悪化するか
- 特定のゲームだけ悪いのか
- パケットロスやジッターが増えていないか
たとえば、
回線が空いている
Ping 20ms前後で安定
大容量通信を開始
Ping 80~120msへ悪化
という状態なら、QoSや帯域制御を確認する意味があります。
一方、常に20ms前後で安定しているなら、QoSを有効にしても大きな違いが出ない可能性があります。
「ゲーミング」という名前だけで選ばない
ゲーミングルーターを選ぶときは、製品名や外観より、実際に搭載されている機能を確認します。
- QoSの方式・設定範囲
- ゲーム端末を優先できるか
- ゲーム通信を自動判別できるか
- WAN / LANポート速度
- Wi-Fi規格
- IPv6 IPoEへの対応
- 利用中のIPv4 over IPv6サービスへの対応
- VPN機能
- ポート転送・NAT関連機能
- 経路最適化サービスの有無と条件
- ファームウェア更新・サポート
特に日本の光回線ではIPv6 IPoE+IPv4 over IPv6を利用する構成も多いため、自分が利用している回線・接続サービスに対応しているかは購入前に確認したいポイントです。
Gaming Port・QoS対応モデルのオススメ
ここでは、これまで紹介してきた「Gaming Port」「QoS・ゲーム優先」「Wi-Fi」「マルチギガLAN」といった機能を基準に、用途の異なる2機種を紹介します。
どちらもASUSのゲーミングルーターですが、Gaming PortとAdaptive QoSに対応しており、この記事で説明してきた「家庭内の通信が競合したときにゲーム通信を優先する」という使い方が分かりやすいモデルです。
ここでは実機比較ではなく、ASUS日本公式サイトで公開されている仕様をもとに、Wi-Fiや有線ポート、ゲーム向け機能の違いから選んでいます。
| 機種 | Gaming Port | QoS・ゲーム優先 | Wi-Fi | 有線ポート | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|---|
| ASUS ROG Strix GS-BE7200X | ○ | Adaptive QoS Traditional QoS | Wi-Fi 7 2.4GHz / 5GHz | 10G WAN×1 2.5G LAN×1 1G LAN×4 | 有線ゲーム・10G回線を重視 |
| ASUS TUF Gaming BE9400 | ○ | Adaptive QoS Traditional QoS | Wi-Fi 7 2.4GHz / 5GHz / 6GHz | 2.5G WAN×1 2.5G LAN×3 | Wi-Fi 7・6GHz・複数の2.5GbEを使いたい |
注意:Gaming PortやQoSは、ルーターを交換するだけでゲームサーバーまでの物理的な距離やISPより先の通信経路を短くする機能ではありません。主に宅内側で通信が競合したときに、ゲーム通信を優先しやすくするための機能です。
また、IPv6 IPoE・IPv4 over IPv6を利用している場合は、購入前に現在利用している接続サービスへ対応しているかも確認しておきましょう。
ASUS ROG Strix GS-BE7200X
有線ゲームと10G回線を重視
ROG Strix GS-BE7200Xは、ゲーム向け機能と有線LAN性能のバランスを重視したい人向けのゲーミングルーターです。
Wi-Fi 7、Gaming Port、Adaptive QoSに加えて、10GbEのWANポートと2.5GbEのLANポートを搭載しています。
2.5GbEのゲーム専用ポートへゲームPCなどを接続すると、特別な設定をしなくてもゲームトラフィックを自動的に優先できます。
また、Adaptive QoSだけでなくTraditional QoSや帯域制限にも対応しているため、家庭内の利用状況に合わせて通信を調整できます。
特に、
- ゲームPCは有線LANで接続したい
- Gaming PortやQoSを簡単に利用したい
- 将来的に10Gbps回線も利用したい
という人には検討しやすい構成です。
ただし、10GbEなのはWAN側で、LAN側の最速ポートは2.5GbEです。また、Wi-Fiは2.4GHz+5GHzのデュアルバンドで、6GHzには対応していません。
ASUS TUF Gaming BE9400
Wi-Fi 7・6GHz・2.5GbEをまとめて使いたい
TUF Gaming BE9400は、Gaming PortやQoSに加えて、Wi-Fi 7の6GHz帯や複数の2.5GbEポートまで利用したい人向けのゲーミングルーターです。
Wi-Fiは2.4GHz・5GHz・6GHzのトライバンドに対応し、有線ポートは2.5GbE WAN×1、2.5GbE LAN×3を搭載しています。
ゲーム専用ポートを搭載しており、ゲーム通信を優先しやすいほか、Adaptive QoS、Traditional QoS、Game Boost、OpenNATなどのゲーム向け機能にも対応しています。
そのため、
- Wi-Fi 7の6GHz帯を利用したい
- ゲーム以外にも高速なWi-Fiを使いたい
- PCやNASなど複数の機器を2.5GbEで接続したい
という場合には、宅内ネットワーク全体を高速化しやすい構成です。
ただし、WANポートは2.5GbEです。10Gbps回線の速度を有線側でより活かしたい場合は、10G WANを搭載するROG Strix GS-BE7200Xも候補になります。
一方、有線ゲームが中心で6GHzを利用しない場合は、自分の環境で必要な機能を確認して選びましょう。
今回の2機種と、次の見出しで紹介するYAMAHAルーターを用途別に整理すると、次のようになります。
| 重視すること | 候補 |
|---|---|
| 有線ゲーム・10G回線を重視したい | ASUS ROG Strix GS-BE7200X |
| Wi-Fi 7・6GHz・複数の2.5GbEを使いたい | ASUS TUF Gaming BE9400 |
| 自分でQoS・帯域制御まで細かく設計したい | YAMAHA RTX840・RTX1220など 次の見出しで紹介 |
Gaming Portやゲーム向けGUIを使って簡単に優先設定を行いたい場合はASUSのようなゲーミングルーターが分かりやすい選択肢です。
一方、ゲームだけでなく仕事・VPN・大容量通信まで含め、ネットワーク全体のQoSや帯域制御を自分で細かく設計したい場合は、ゲーミングルーターに限定する必要はありません。
次は、現在使用しているYAMAHA NVR510と、候補にしているRTX840・RTX1220について見ていきます。
ゲーミングルーター以外でも可能
ゲーム通信を優先する考え方自体は、ゲーミングルーターだけの特殊技術ではありません。

ゲーム通信を優先したいならゲーミングルーターを買わないとダメなの?
YAMAHA NVR510・RTX840・RTX1220

そんなことはないよ~。
うさが今使っているYAMAHA NVR510でも優先制御はできるし、次の候補としてRTX840やRTX1220も検討してるよ。仕事にもゲームにも使うから、ゲーム専用というよりネットワーク全体を細かく制御できる方が合ってるんだよね。
現在、実際にうさちゃんが、YAMAHA NVR510を使用しています。
NVR510はゲーミングルーターとして販売されている製品ではありませんが、IPアドレス、プロトコル、ポート番号などを条件に通信を分類し、優先制御することができます。優先制御はパケットを送り出す側のインターフェースで働くため、回線速度に合わせた送出速度の設定が必要です。
つまり、「ゲームPCや特定の通信を優先する」という目的だけなら、ゲーミングルーターでなければ実現できないわけではありません。

うさは今、NVR510からRTX840・RTX1220を検討中しています😊
うさの場合、ルーターはゲームだけに使う機器ではありません。普段のインターネット接続に加えて、仕事用PC、複数端末、VPNなども同じネットワークで利用します。
そのため次の候補として検討しているのが、YAMAHA RTX840またはRTX1220です。
RTX840・RTX1220は、ゲーム専用の「Game Boost」のような分かりやすい機能を前面に出した製品ではありません。その代わり、優先制御に加えて帯域制御(Dynamic Traffic Control)、Dynamic Class Control、トンネルQoSなどに対応しており、IPアドレス・プロトコル・ポート番号・ToSフィールドなどを条件に通信を分類できます。
| 考え方 | 一般的なゲーミングルーター | NVR510 | RTX840・RTX1220 |
|---|---|---|---|
| ゲーム通信の優先 | ゲーム端末・ゲームモードなどで設定しやすい | 自分で条件を指定して優先制御 | 自分で条件を指定して優先制御 |
| 通信の分類 | 製品側のプリセットやGUI中心 | IP・プロトコル・ポート番号など | IP・プロトコル・ポート番号・ToSなど |
| 帯域制御 | 製品・方式による | 優先制御のみ(帯域制御は非対応) | Dynamic Traffic Controlなどに対応 |
| VPN・業務利用 | 製品による | ○ | ○ |
| 設定のしやすさ | ゲーム用途では比較的簡単 | ネットワーク知識が必要 | ネットワーク知識が必要 |
| 向いている使い方 | ゲーム向け機能を手軽に使いたい | 仕事・VPN・ゲームを1台で管理 | 仕事・VPN・ゲームを含め、より細かく通信を設計したい |
たとえば、ゲーム通信は遅延を抑えるため優先し、仕事の重要な通信も必要に応じて優先しながら、大容量のダウンロードやバックアップが他の通信を圧迫しないように考える、といった設計ができます。
ゲーム通信 → 優先
仕事の重要な通信 → 優先
通常のWeb通信 → 通常
大容量DL・転送 → 帯域を考慮して制御
↓
ゲームだけではなく
ネットワーク全体を自分で設計する
この自由度は大きなメリットですが、「ゲーム端末を選んでON」で終わるゲーミングルーターより設定には知識が必要です。何を優先するのか、どの通信をどのクラスへ分類するのかを自分で考える必要があります。
うさの場合:現在はNVR510を使用中。ゲーム専用ルーターへ置き換えるというより、仕事・VPN・ゲームをまとめて扱うルーターとして、より細かなQoS・帯域制御ができるRTX840またはRTX1220を検討しています。
※RTX840・RTX1220のLAN/WANポートは1GbEのため、10Gbps回線の速度を活かしたい場合は別の機種が必要です。
ゲーミングルーターの価値は、QoSそのものを発明したことではなく、ゲーム用途で必要になりやすい機能を分かりやすく使えるようにしていることにもあります。一方、YAMAHAのようなルーターは設定のハードルが上がる代わりに、ゲームだけでなく仕事を含めたネットワーク全体を自分で設計できるのが特徴です。
回線を見直すべき場合もある
ゲームの遅延は、宅内ルーターだけで決まるものではありません。
PC・ゲーム機
↓
LAN / Wi-Fi ← 宅内無線が原因ならここを改善
↓
ルーター ← 家族の通信で混雑するならQoSを検討
↓
回線・ISP / VNE ← 夜間混雑などは回線側も確認
↓
通信経路 ← 遠回り・距離はルーターだけでは解決しない
↓
ゲームサーバー
どの区間が原因なのかによって、必要な対策は変わります。
ゲーミングルーターを買う前に、宅内側なのか、回線側なのかを分けて考えることが重要です。
まとめ|ゲーミングルーターは「Pingを魔法のように下げる箱」ではない

結局、ゲーミングルーターなら何でもPingが下がるってわけじゃないんだね。

そうだね😊
家の中で通信が混雑しているならQoSが効くこともあるし、Wi-Fiが原因なら無線環境を見直す。でもISPより先やゲームサーバーまでの距離が原因なら、ルーターだけ変えても解決しないってこと。
ゲーミングルーターの主な特徴を整理すると、ゲーム端末やゲーム通信の優先、家庭内の通信混雑への対策、高性能なWi-Fi、マルチギガLAN、ゲーム向けの分かりやすい設定画面、一部製品では経路最適化サービスなどがあります。
つまり、ゲーミングルーター=インターネットそのものを高速化する装置ではありません。
ゲームのPingは、PC・ゲーム機、LAN / Wi-Fi、ルーター、回線、ISP・VNE、インターネット上の経路、ゲームサーバーという通信経路全体の影響を受けます。
ルーターは、その中の一部分です。
だからこそ、ゲーミングルーターを選ぶときは、「ゲーミングと書いてあるから」ではなく、「自分の環境で必要な機能があるから」選ぶのがおすすめです。
まず「どこで遅延が発生しているのか」を確認する。 それが、ゲーミングルーターが本当に必要かを判断する一番の近道です。


















































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