
本記事で紹介するOCCT(ストレステスト)は、グラフィックボードに意図的に高負荷をかけて動作の安定性を確認する方法です。
症状が重い場合(頻繁にクラッシュする/画面が乱れる/再起動を繰り返す等)は、無理にテストを続ける前に、購入先やメーカーサポートに「修理・保証対応の可否」を先に確認することをおすすめします。
保証やサポートの扱いはメーカーごとに異なるため、症状が重い場合や保証期間内の場合は、先に購入先やメーカーへ相談してから進めると安心です。
ゲーム中や作業中に突然クラッシュ!

ゲーム中とか作業中に、パソコンが突然落ちるようになっちゃったんだよね。

グラボが壊れたんちゃうん?

その可能性もゼロじゃないけど……ハード故障じゃないクラッシュも結構あるからね。まずはGPUが本当に壊れてるかを切り分けてみようかしら🤔
GPUクラッシュの主な原因
GPUクラッシュの主な原因は、大きく3つに分けられることが多いです。
アプリやゲームのクラッシュは、必ずしもGPUの故障とは限りません。
原因は主に、次の3つに分けられます。
| 原因 | 内容 |
|---|---|
| VRAM故障 | メモリセル破損などの物理的な不具合 |
| 温度異常 | 熱暴走による動作不安定 |
| ドライバ / 電源遷移 | ソフト制御(省電力→高性能切替)でのエラー |
この中で、VRAMの物理故障かどうかを判断するのに使えるのが「OCCT」です。
実際に、FF14で「11000002 DirectX致命的エラー」のように、ドライバーやOSの問題に見えて、最終的にハード側が原因だったケースもあります。
うさねこ環境で実際に発生した事例はこちら👇
OCCTとは?

OCCTは、PC全体や各パーツに意図的に負荷をかけて「安定動作するか」を検証できるストレステスト用ソフトです😊
新しく購入したPCやパーツが正常に動くかの初期チェックにも使えますよ。
主なテスト項目は、CPU+メモリ、CPU、メモリ、LINPACK、GPU、VRAM、ストレージ、電源、PC全体など。
部品によっては、普段の使用では問題なく見えても、高負荷時に突然の電源断や強制終了が起きることがあります。
そのためうさは、パーツ購入時に返品可能な期間内で「短時間の動作チェック」としてOCCTを回すことがあります。
ただしストレステストは各パーツに高い負荷がかかるため、やりすぎは寿命を縮める要因になり得ます。長期間安定しているPCで、目的なく長時間回すのはおすすめしません。
OCCTは個人利用向けの Personal 版を無料で利用できますが、商用・業務環境では Pro / Enterprise 系ライセンスが必要です。2026年3月時点では、Windows版とLinux版が提供されています。
特にVRAMテストでは、VRAMの読み書きエラー(ビット化けやアドレス指定の不整合など)を検出することで、GPUメモリ(VRAM)の物理的な不具合の有無を確認できます。
NVIDIA(GeForce)だけでなく、AMD(Radeon)環境でも使用可能です。
本記事では「グラフィックボード関連(GPU / VRAM)」の切り分けに絞って解説します。
OCCTのダウンロード方法
OCCT公式サイトでダウンロードページを開きます。
Windows用/Linux用に分かれているので、自分のOSを選びます。
ダウンロード前に「I understand that OCCT…」のチェック欄にチェックが必要です。
これは「個人利用はOKだが、企業・商用利用はライセンスが必要」という注意に同意する項目です。
チェックを入れたら、最後に「DOWNLOAD」ボタンからダウンロードします。
OCCT VRAMテストのやり方
GPUのメモリエラーを効率よくチェックするため、以下の設定でテストを実施します。
テスト設定(おすすめ)

- STABILITY TEST
- テスト項目:VRAM
- Memory使用率:まずは80%前後を目安
(環境によっては70%台に下げたほうが安定して実行しやすい場合もあります) - テスト時間:20分以上
なぜ使用率80%?
Windowsのシステム(DWM)がVRAMを常に消費しているため、100%にするとテスト自体が起動しないこともあります。
OSのメモリ管理と競合し、フリーズや強制終了が発生する可能性があります。
そのため、OSの描画領域(デスクトップ表示など)に必要なVRAMを残しつつ検証できる、80%前後が現実的なチェックラインです。
環境によっては70%前後の方が安定する場合もあるため、フリーズする場合は使用率を少し下げて再実行してください。
なぜ20分以上?
短時間(5〜10分)のテストでは、
を検出できない場合があります。
そのため、切り分け用途ではうさは20分前後をひとつの目安にしています。
まずは短めに確認し、異常がなければ必要に応じて少し延ばしてみる、という流れでも十分です。
OCCTは高負荷テストなので、必要以上に長時間回し続けず、温度やファン挙動を監視しながら実施してください。
テスト中に確認するポイント
テスト実行中は、画面右側のモニタリンググラフに注目してください。
まずはケース内のホコリ確認から
GPUまわりの不調は、故障だけでなくホコリ詰まりや冷却不足が原因になっていることもあります。 OCCTで確認する前後に、ケース内のホコリやファンまわりの状態も見ておくと切り分けしやすいです。
エアダスターをAmazonでチェックする ※無理に分解せず、見える範囲の清掃からでOKです。▶ エラーが出た場合
テスト中に、
などが発生した場合は、GPU(特にVRAMなどのハードウェア領域)の不安定化が疑われます。
ただし、電源供給やドライバ要因でも同様の症状が出ることがあるため、単発で断定せず、再現性(同じ条件で繰り返し起きるか)も確認してください。
▶ エラーが出なかった場合
今回の検証では:

という結果でした。
つまり、VRAMの物理的な破損の可能性は低いと推測されます。
50℃は今回の検証環境(水冷や低負荷モデル等)の結果であり、一般的には70〜85℃程度まで上がっても正常範囲内です
という状況だったため、
👉 VRAMの物理故障の可能性は低く
👉 ドライバ制御(ソフト側)の影響が疑われる状況
と判断しました。
OCCTで分かること/分からないこと
OCCTは、ハードウェアの安定性を検証するためのストレステストツールです。
| OCCTで分かる | OCCTで分からない |
|---|---|
| VRAMの物理故障(メモリエラー) | ドライバ不具合 |
| GPU側の高負荷時の不安定や描画異常の切り分け (3D系テストで確認しやすい領域) | Windowsとの相性 |
| 熱による不安定 | 電源状態の切替 (GPUのP-State遷移など) |
| 高負荷時の安定性 | 初期化タイミングの問題 |
例えば、
- 起動直後のみ落ちる
- 高負荷時は問題ない
- イベントビューアーにハードウェアエラー
といった症状は、
👉 ドライバや電源管理機能(GPUのP-State遷移/PCIe省電力制御)
で発生することがあり、
OCCTでは検出できません。
よくある質問(FAQ)
- QOCCTでエラーが出なければ、GPUは壊れていないと判断していいですか?
- A
OCCTのVRAMテストでエラーが検出されなかった場合、GPUメモリ(VRAM)の物理的な故障の可能性は低いと考えられます。
ただし、ドライバの不具合やWindowsの電源管理機能(GPUのP-State遷移やPCIe省電力制御)など、ソフトウェア側の要因によるクラッシュは検出できないため、「完全に正常」と断定することはできません。
- Qテスト時間は10分程度でも問題ありませんか?
- A
短時間(5〜10分)のテストでは、VRAMの温度上昇後に発生する軽度のメモリエラーや不安定な挙動を検出できない場合があります。
そのため、実用的な診断を行う場合は、最低でも20分以上の連続実行を推奨します。
- QNVIDIAだけでなく、AMDのGPUでもOCCTは使えますか?
- A
OCCTはNVIDIA(GeForce)だけでなく、AMD(Radeon)環境でも利用可能です。
VRAMテストはGPUメーカーに依存せず実行できるため、グラフィックボードの物理的な安定性チェック用途として共通して使用できます。
- Qテスト時間を長くしすぎるとGPUに負荷がかかりすぎませんか?
- A
OCCTは意図的に高負荷をかけるテストなので、長時間の連続実行はGPUに負担をかけます。
基本は20分程度で切り分けに使い、必要があって延長する場合でも、温度やファン回転数を監視しながら行うのが安全です。
もしテスト中に温度上昇が大きい、異音がする、描画が乱れるなどの兆候が出た場合は、無理に続行せず中止してください。
- Q故障を疑う「ノイズ(アーティファクト)」って具体的にどんな症状ですか?
- A
代表的なのは次のような症状です。テスト中やゲーム中に繰り返し出る場合、GPU(特にVRAM)側の不安定化を疑う材料になります。
- 画面に小さな四角形がチラつく(ブロックノイズ/カラーブロック)
- 画面の一部に線が伸びる(横線・縦線・斜め線が一定方向に出続ける)
- テクスチャが崩れる/市松模様になる
- 文字やUIが欠ける/滲む(解像度設定と無関係に発生)
- 画面が一瞬真っ黒→復帰を繰り返す(ドライバリセットの兆候)
ただし、同様の症状はドライバ不具合・ケーブル/端子不良・オーバークロック/アンダーボルトの設定・電源供給の不安定でも起きることがあります。
そのため「一度出た=即故障確定」ではなく、同じ条件で再現するか/OCCTなど高負荷テストでも発生するかをあわせて確認するのがおすすめです。
映像ケーブルの差し替え確認もおすすめ
画面の乱れや一瞬のブラックアウトは、GPU本体だけでなく、DisplayPortやHDMIケーブルの接触不良でも似た症状が出ることがあります。 グラボ故障と決めつける前に、ケーブル側も確認しておくと安心です。
DisplayPort / HDMIケーブルを見る ※手元に予備がない場合の切り分け用として。GPU交換前に確認しておきたいこと
クラッシュ=GPU故障とは限りません。
といった場合は、
👉 ドライバの再インストール
👉 Windowsの更新
👉 電源管理設定の見直し
で改善するケースもあります。
GPUの買い替えを検討する前に、まずはOCCTでの切り分けをおすすめします。
※数値や結果は使用環境により変動する場合があります
大型グラボならステーも候補
重いグラフィックボードは、長く使っているうちに少したわみが出ることがあります。 すぐに不具合へ直結するとは限りませんが、見た目に傾きが気になる場合は、支えを追加しておくと安心です。
GPUステーをAmazonでチェックする ※差し込みの負担が気になる人向けです。切り分け後も不安が残る場合
ここまで試しても原因がはっきりしない場合や、グラフィックボードの不安定化が疑われる場合は、無理に使い続けるよりPCごと見直した方が早いこともあります。
うさねこでは、実際に使ってみて安定性が高かったBTOパソコン(サイコム)についてもまとめています👇




