

※本記事には『鬼滅の刃』のストーリーに関する内容が含まれています。まだ作品をご覧になっていない方は、ネタバレにご注意ください。ここで書かれているのは、うさ個人の感想です。
Amazonプライムで時間を合わせた夜
あの夜、私はねこと通話をつなぎながらアニメ『鬼滅の刃』を観ていました。
遠距離に住むお互いは「せーの」と声を掛け合いながら配信サイトのAmazonで再生ボタンを押し、時間を合わせて観るのがお気に入りです。
離れていても、まるで同じ映画館に並んで座っているような感覚を味わえる――そんな特別な時間だからです。
「うさ、見てる?」
「……」
ねこが声をかけてきているのはわかっていたのですが、私は返事をしませんでした。
ねこは「寝ちゃったのかな?」と勘違いしていたそうです。
でも本当は違いました。私は画面に釘付けになって、言葉が喉でつかえて出なかったのです。
声を出したら、泣いてしまう。涙が止まらなくなってしまう。そんな予感がして、ただ黙って画面を見つめていました。
炭治郎の必死の姿に心が震えた
そのシーンは、主人公炭治郎の妹で鬼となってしまっている禰豆子が太陽の光にさらされる場面でした。
鬼にとって太陽は死を意味する。少しでも浴びれば体は焼け、存在は失われてしまう。
炭治郎はそれがわかっているから、必死でした。
自分の体を盾にし、腕で覆い、影を作って禰豆子を守ろうとする。
「どうか、禰豆子だけは……!」
その必死さには、兄としての想いがすべて込められていました。
彼の行動は理屈ではなく、本能のようなもので、ただただ「守りたい」という願いがあふれ出ているように感じられました。
私はその姿に胸を打たれました。
兄妹の絆、家族を想う気持ち――炭治郎の必死さが画面を越えて私の心を揺さぶったのです。
それでも禰豆子は兄を蹴った
しかし、その兄の想いを振り切るように、禰豆子は炭治郎を蹴り飛ばしました。
その一瞬、私は息を呑みました。
炭治郎の腕の中から飛び出した彼女の行動は、自分の命を死の光に投げ出すように見えたからです。
けれど、その一蹴りには明確な意味がありました。
「私を守らなくていい。守るべきは刀鍛冶さんだ。」
禰豆子は、自分を犠牲にしてでも仲間を守ることを選んだのです。
体はすでに焼かれ始めているのに、その瞳には一切の迷いがありませんでした。
普通なら「自分を助けて」と願うはずです。
でも禰豆子はそうしなかった。
兄を信じているからこそ、兄に“人を守らせる”ために、自分を蹴ったのです。
兄妹の愛の“対比”
このシーンが特別に心を打ったのは、兄妹の愛が「対比」として描かれていたからだと思います。
炭治郎は「妹を守りたい」という愛で必死に抱きしめた。
禰豆子は「兄を動かし、人を守らせたい」という愛で蹴り飛ばした。
互いに相手を想う気持ちは同じなのに、行動は正反対。
けれどその根底には共通する“深い愛”が流れていました。
兄は「失いたくない愛」で動き、妹は「託す愛」で動いた。
この矛盾する二つの愛が交錯した瞬間に、私は胸を強く打たれました。
声を出せなかった理由
私はそのとき、ねこに「すごい…禰豆子…!」と伝えたかった。
でも、声を出したら涙声になってしまう。
通話越しに泣いていることを知られるのが恥ずかしくて、私は黙り込んでしまいました。
「兄妹って、こんなにもお互いを想い合えるんだ……」
「炭治郎も、禰豆子も、本当に強い……」
心の中ではそう繰り返しながら。
だからあの夜、通話が静かだったのは決して無関心だったからではなく、感情があふれて声にならなかったからなのです。
通話のあとで
作品を見終わったあと、ねこは「うさ、寝てたでしょ?」と笑いました。
私は少し照れながら「泣きそうで返事できなかったんだよ」と答えました。
ねこは「なんだ、そうだったの」と安心したように笑っていました。
その何気ないやりとりさえ、今となっては大切な思い出です。
Amazonプライムで再生時間を合わせて観る――それはただの視聴方法以上の意味を持ちました。
通話越しの沈黙すら、二人だけの特別な体験として心に刻まれたのです。
鬼滅の刃が残したもの
鬼滅の刃は、ただのバトルアニメではありませんでした。
戦いの裏にはいつも「大切な人を想う心」が描かれていて、それが物語の核になっています。
大切な人を失ったことがあるうさだから、余計に引き込まれたのかもしれません。
「もう二度と会えない存在を守りたかった」という気持ち、
「何かを託してでも生かしたい」という願い――
そうした想いを、炭治郎と禰豆子の姿に重ねてしまったのだと思います。
炭治郎が必死に妹を守ろうとする姿も、
禰豆子が自分の命を捨ててまで兄を蹴って仲間を守らせる姿も――
その根底には「愛する人を失いたくない」「愛する人を生かしたい」という切実な想いがありました。
だから私は、あの夜、通話越しに無言で涙をこらえるしかなかったのです。
最後に

返事がなくて心配したけど、泣きそうになってたなんて、うさらしいね。

だって…あんなの泣かないほうが無理だよ。

選べない兄、選んだ妹。
そこには共通した兄弟愛があったわけですが、ここでは対極的なものでありました。
千年以上前から、ただ鬼舞辻無惨を倒すという想いをつないできた鬼殺隊。
そこには、炭治郎のような迷いもたくさんあったと思います。
禰豆子は、あの状況でどちらを選んでも、強く後悔するであろう炭治郎に、その究極的な原点を思い出させるかのうように、刀鍛冶を守れと選択させた。
あの蹴り上げは、彼女の芯の強さ、鬼殺隊の一員である矜持さえ見せた、ねこは、そんな風に思うのです。

鬼滅の刃が描いた兄妹愛は、ただのフィクションではなく、私自身の心の奥に眠っていた想いを呼び覚ましてくれました。
失った人への想いと重なり、通話の向こうで黙り込んでしまうほどの感情を呼び起こしたのです。
本記事で触れている『鬼滅の刃』のストーリー・キャラクター等に関する権利は、すべて原著作者・出版社・制作会社に帰属します。
ここで書かれている内容は、うさ個人の感想・体験談であり、公式の情報や見解とは一切関係ありません。
鬼滅の刃 配信サービス一覧(2025年10月現在)
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